受付で「ありがとうございます」はNG?葬儀の挨拶フレーズ集と、香典返しのスマートな渡し方


葬儀の受付を任されたとき、意外と迷うのが「言葉選び」です。普段、贈り物や丁寧な対応を受けた際に口にする「ありがとうございます」という言葉。しかし、お悔やみの場である葬儀において、この表現を使ってよいのか不安に思う方も多いのではないでしょうか。

受付は、遺族に代わって弔問客をお迎えする重要なポジションです。適切な挨拶と、香典返し(会葬御礼)のスムーズな受け渡しは、式全体の品位を保ち、参列者に安心感を与えます。

この記事では、受付で使うべき正しい挨拶フレーズや、「ありがとうございます」の是非、さらに香典返しをスマートに渡すためのマナーについて詳しく解説します。


1. 葬儀の受付で「ありがとうございます」と言ってもいい?

結論から述べますと、葬儀の受付で「ありがとうございます」を使うことは間違いではありませんが、使いどころに注意が必要です。

葬儀は故人を悼む悲しみの場であるため、何に対しても「ありがとうございます」と明るく応じるのは不自然です。しかし、弔問客がわざわざ足を運んでくれたことや、香典をいただいたことに対する「感謝の意」を伝えるのはマナーとして正解です。

適切な言い換え例

単に「ありがとうございます」と言うよりも、以下のような言葉を添えると、より場にふさわしい丁寧な印象になります。

  • 「お忙しい中、お越しいただきありがとうございます」

  • 「おそれ入ります」

  • 「ご丁寧にありがとうございます」

語尾を少し下げるように、落ち着いたトーンで話すのがポイントです。


2. 場面別・受付で使える挨拶フレーズ集

受付でのやり取りは、定型文を覚えておくことで格段にスムーズになります。

弔問客を迎えるとき

弔問客が「この度はご愁傷様です」などとお悔やみを述べながら近づいてきたら、黙礼(深く静かにお辞儀)をしてお迎えします。

  • フレーズ:「お忙しい中、お運びいただきありがとうございます」

  • フレーズ:「お足元の悪い中、ご参列いただき恐縮でございます」(雨や雪の場合)

香典を受け取るとき

香典を差し出されたら、両手で丁寧に受け取ります。

  • フレーズ:「お預かりいたします」

  • フレーズ:「ご丁寧に、おそれ入ります。御霊前(または御仏前)にお供えさせていただきます」

記帳をお願いするとき

  • フレーズ:「おそれ入りますが、こちらにご住所とお名前のご記入をお願いいたします」

会場を案内するとき

  • フレーズ:「お焼香まで、あちらのお席でお待ちください」

  • フレーズ:「お手洗いはあちらの通路の右側にございます」


3. 香典返し(会葬御礼)のスマートな渡し方

香典返しや会葬御礼品を渡すタイミングは、記帳が終わった直後が最も一般的です。

渡す際のマナー

  1. 両手で渡す:品物を紙袋に入れた状態、あるいは箱のまま、必ず両手で差し出します。

  2. 正面を向ける:相手から見て文字が正しく読める向きで渡します。

  3. 言葉を添える:ただ無言で渡すのではなく、一言添えるのがスマートです。

    • フレーズ:「こちら、供養のしるしでございます。お受け取りください」

    • フレーズ:「おそれ入ります、こちら会葬のお礼でございます」

代理の方への対応

「来られない知人の代わりに預かってきました」と複数名分の香典を出された場合は、人数分の返礼品を渡します。

  • ポイント:袋が重なる場合は「お荷物になりますが、お預かり分でございます」と一言添えると親切です。


4. 受付での「忌み言葉」に注意

葬儀の場では、不吉なことを連想させる「忌み言葉」を避けるのが鉄則です。受付での会話でも、つい口に出さないよう意識しましょう。

  • 重ね言葉:「たびたび」「重ね重ね」「いよいよ」

    (不幸が重なることを連想させるため)

  • 直接的な表現:「死ぬ」「生きているとき」

    (「ご逝去」「ご生前」と言い換えます)

  • 不吉な言葉:「消える」「大変なことになる」

受付では、必要以上に話しすぎず、簡潔で穏やかなやり取りを心がけることが、最高の「おもてなし」になります。


5. 迷った時の立ち振る舞い:3つの心得

もし、想定外の質問をされたり、対応に迷ったりした場合は、以下の3点を意識してください。

  1. 語尾を濁さない:小さな声でも、はっきりと最後まで丁寧に話します。

  2. 独断で答えない:宗教的な質問や、遺族への複雑な伝言を頼まれた場合は、「確認してまいります」と伝え、葬儀社スタッフや親族の代表に確認します。

  3. 姿勢を正す:受付に座っている(または立っている)間は、私語を慎み、背筋を伸ばして待機します。


まとめ

葬儀の受付での挨拶は、形式的な正しさよりも「弔問客への敬意」と「遺族への配慮」が言葉に表れていることが大切です。

  • 「ありがとうございます」は感謝の言葉として使って良いが、トーンは抑える。

  • 挨拶は短く、丁寧に。「お預かりいたします」「おそれ入ります」を基本にする。

  • 返礼品は両手で、相手に正面を向けて渡す。

これらのマナーを意識することで、あなたは受付としての役割を立派に果たすことができ、遺族からも深く感謝されるはずです。


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