黒いスーツなら何でもOK?リクルートスーツと「喪服」の決定的な違いと、代用時の注意点


「急な訃報で喪服が間に合わない」「手持ちのリクルートスーツで参列しても大丈夫?」と悩む女性は少なくありません。どちらも同じ「黒いスーツ」に見えますが、実は葬儀の場において、ビジネス用のブラックスーツと礼服(喪服)には明確な違いが存在します。

大切な方とのお別れの場で、周囲から浮いてしまったりマナー違反と思われたりするのは避けたいものです。この記事では、リクルートスーツと喪服の決定的な違いを徹底解説し、どうしても代用しなければならない時の対策や、恥をかかないための着こなし術を詳しくご紹介します。


1. リクルートスーツと喪服(準喪服)の決定的な「3つの違い」

一見すると同じように見える黒のスーツですが、葬儀会場の強い照明や太陽光の下では、その差がはっきりと現れます。

① 「黒の色味」の深さが違う

最も大きな違いは、色の濃淡です。喪服(ブラックフォーマル)は「漆黒」や「濃紺」を極限まで深くした、光を吸収するような深い黒色をしています。一方で、リクルートスーツやビジネススーツは、ポリエステルなどの化学繊維が多く含まれるため、光に当たると白っぽく反射したり、グレーがかって見えたりします。葬儀会場で並んで立つと、その色の差は一目瞭然です。

② 生地の「光沢感」と素材

喪服は光を反射させないマットな質感のウールや高級ポリエステルで作られています。これは「光るものを避ける」という仏教的なマナーに基づいています。対してビジネススーツは、耐久性や防シワ性を重視するため、生地に微細な光沢(テカリ)があるものが多く、弔事の場ではカジュアルすぎたり、華美に映ったりすることがあります。

③ デザインとシルエットの設計

  • 喪服: 流行に左右されず、長く着られるようゆとりを持った設計です。露出を抑えるため、襟元が詰まっていたり、スカート丈が膝下までしっかり隠れるよう作られています。

  • リクルートスーツ: 活動的な印象を与えるため、タイトなシルエットや短めのスカート丈が多いのが特徴です。お辞儀をしたり椅子に座ったりした際、膝が露出してしまうものは葬儀のマナーとして望ましくありません。


2. どうしてもリクルートスーツで参列する場合の対策

「深夜や早朝の訃報で、どうしても喪服が用意できない」という場合に限り、お通夜への参列ならリクルートスーツでの代用もやむを得ない場合があります。その際は、以下の工夫で「喪」の雰囲気に近づけましょう。

スカート丈を徹底チェック

リクルートスーツの多くは膝丈です。立った状態で膝が隠れていても、着席時に大きく膝が出てしまう場合は、黒いストッキングを履いていてもマナー違反と捉えられることがあります。できるだけ丈の長いものを選び、着席時はハンカチを膝に置くなどの配慮をしましょう。

インナーを「弔事用」に変える

ビジネス用のシャツ(襟付きのワイシャツ)をそのまま着ると、リクルート感が強く出てしまいます。襟のない黒のカットソーや、胸元の開かないブラウスに変更するだけで、ぐっと喪服に近い印象になります。白シャツしか選択肢がない場合は、第一ボタンまでしっかり留め、清潔感を重視してください。

殺生を連想させる小物を排除する

リクルートスーツで参列するからこそ、小物のマナーは完璧にする必要があります。

  • バッグ: 金具の目立たない、光沢のない布製の黒バッグ。

  • 靴: 装飾のない、黒のマットなパンプス。

  • ストッキング: 30デニール以下の薄手の黒ストッキング(肌が透けるもの)。


3. 葬儀・告別式における女性の正しい装い

通夜は「急いで駆けつける」という意味で平服(リクルートスーツ等)が許容されることもありますが、葬儀・告別式はあらかじめ日程が決まっているため、原則として**準喪服(ブラックフォーマル)**を着用するのがマナーです。

おすすめはアンサンブル形式

女性のブラックフォーマルで最も汎用性が高いのは、ワンピースにボレロやジャケットを羽織るアンサンブルタイプです。

  • 通年使える: ジャケットの脱ぎ着で温度調節ができ、夏場はワンピース1枚(袖があるもの)で参列可能です。

  • 体型変化に対応: ウエストを締め付けないデザインが多く、年齢を重ねても長く着用できます。

避けるべき「華美な要素」

喪の場では、自分を飾るための装飾は不要です。

  • アクセサリー: 結婚指輪以外は外すのが基本。付けるなら一連のパールネックレスのみ。

  • メイク: 「片化粧(かたげしょう)」と呼ばれる、色味を抑えた薄化粧に。

  • 髪型: 耳より低い位置でまとめ、華美なヘアアクセサリーは避けます。


4. 将来を見据えた一着の選び方

20代であればリクルートスーツで許される場面もありますが、30代以降や社会人として参列する場合、ブラックフォーマルを一着持っておくことは「大人の嗜み」と言えます。

選ぶ際のポイントは、**「5年後、10年後の自分も着られるか」**です。膝がしっかり隠れるミモレ丈、体型を拾いすぎないシルエット、そして何より質の良い「深い黒」のものを選んでおけば、急な場面でも自信を持って参列できます。


まとめ:マナーを守ることは故人への敬意

「黒いスーツなら何でも同じ」と考えがちですが、細かな違いを知ることで、故人を偲ぶ気持ちをより深く表現できます。リクルートスーツはあくまで一時的な代用と考え、できるだけ早い段階で一着はブラックフォーマルを用意しておきましょう。

万が一の際、服装に不安を感じることなく、心穏やかにお別れに専念できるよう準備を整えておくことが大切です。

今回の内容を参考に、ご自身のクローゼットにあるスーツが、いざという時に「失礼のない装い」として使えるかどうか、一度確認してみてはいかがでしょうか。


葬儀の服装で悩む女性へ。急な参列でも失敗しないマナーと準喪服の選び方