葬儀の服装で悩む女性へ。急な参列でも失敗しないマナーと準喪服の選び方


「急な訃報で何を着ていけばいいかわからない」「手持ちの黒いスーツで大丈夫?」と不安に感じていませんか?葬儀や告別式への参列は、人生の中でそう何度も経験することではありません。だからこそ、いざという時のマナーに自信が持てず、焦ってしまうのは当然のことです。

大切な方へのお見送りの場で、失礼のない装いを整えることは、故人への敬意を表すことにも繋がります。この記事では、女性が葬儀に参列する際の基本的な服装マナーから、意外と知らない小物選びの注意点まで、詳しく丁寧に解説します。


葬儀・告別式における女性の服装の基本

葬儀における正装は、一般的に「ブラックフォーマル」と呼ばれる準喪服を指します。以前は通夜には「取り急ぎ」という意味で平服(地味な色のスーツなど)でも良いとされていましたが、現代ではお通夜から葬儀・告別式まで、すべて準喪服で参列するのが最も一般的で安心です。

1. 準喪服(ブラックフォーマル)のポイント

ブラックフォーマルは、ビジネス用の黒いリクルートスーツとは全く別物です。

  • 色と質感: 漆黒(しっこく)と呼ばれる、光沢のない深い黒色が理想です。ビジネススーツは光の加減でグレーや紺に見えることがあり、並んだ時に色の違いが目立ってしまいます。

  • デザイン: アンサンブル(ワンピースとジャケットのセット)が最も汎用的です。

  • スカート丈: 膝が隠れる丈が必須です。座った時にも膝が露出しないよう、ふくらはぎにかかる程度の長さ(ミモレ丈)を選ぶと、どの年代でも上品に着こなせます。

  • 襟元: 露出を抑えるのがマナーです。首元が詰まったデザインや、鎖骨が隠れるものを選びましょう。

2. 季節ごとの工夫

  • 夏場: 夏用の薄手のブラックフォーマルを用意しましょう。ワンピース1枚でも構いませんが、五分袖から長袖のものを選び、肌の露出を避けます。

  • 冬場: 葬儀会場は冷え込むことが多いです。コートを着用する場合は、黒の無地でカシミヤやウール素材のものを選びます。毛皮やレザー、ダウンジャケットなど殺生を連想させる素材やカジュアルすぎるものは避けましょう。


意外と見落としがちな小物・アクセサリーのマナー

服装が決まっても、小物選びでマナー違反をしてしまうケースは少なくありません。足元から手元まで、トータルでチェックしましょう。

ストッキングと靴

  • ストッキング: 黒の無地で、肌が少し透ける程度の薄さ(20デニール前後)が基本です。厚手のタイツや網タイツ、柄物は避けましょう。ただし、冬場の寒冷地や体調に不安がある場合は、黒のタイツでも許容される傾向にあります。

  • 靴: 黒のパンプスを選びます。素材は布製か、光沢のない本革・合皮が適しています。エナメル素材や爬虫類の型押し、サンダル、ミュールは厳禁です。ヒールの高さは3〜5cm程度が歩きやすく、疲れにくいのでおすすめです。

アクセサリーと髪型

  • ネックレス: 結婚指輪以外は付けないのが基本ですが、付ける場合は「涙の象徴」とされる真珠(パール)のみ許されます。必ず一連のネックレスを選んでください。二連は「不幸が重なる」とされるため、絶対に避けましょう。

  • 髪型: 長い髪は耳より下の位置でひとつにまとめます。お辞儀をした時に髪が顔にかからないようにするのがマナーです。髪飾りは黒のバレッタやシュシュなど、光沢のないものを選びます。

  • ネイル・メイク: 派手なネイルは落とすのが理想ですが、急な場合は黒い手袋で隠すか、ベージュ系のマニキュアを重ねて目立たなくします。メイクは「片化粧」と呼ばれる、控えめで清潔感のある薄化粧を心がけましょう。


状況別・立場別の服装ガイド

参列する立場によって、求められる配慮が少しずつ異なります。

親族として参列する場合

遺族や近親者は、一般参列者よりも格上の服装、あるいは同等の準喪服を着用します。喪主以外であれば、女性はブラックフォーマルのアンサンブルで問題ありません。正喪服(和装の黒喪服など)を着用する方もいますが、現代では洋装の準喪服で統一される家庭も増えています。

お通夜のみに参列する場合

仕事帰りなどでどうしても着替えが間に合わない場合に限り、地味な色のスーツやワンピース(濃紺、チャコールグレーなど)でも失礼にはあたりません。これを「平服」と呼びます。ただし、可能であれば黒のブラウスやスカートに着替えるなど、最大限の配慮を見せることが大切です。

子供の服装

学生の場合は、学校の制服が正装となります。制服がチェック柄や明るい色であっても問題ありません。制服がない場合は、黒、紺、白などの落ち着いた色の服(白いシャツに紺のスカートなど)を合わせます。


よくある質問:これって大丈夫?

Q. パンツスーツはマナー違反?

女性のパンツスーツは、以前は略装とされていましたが、現代では準喪服として広く認められています。動きやすいため、お手伝いをする場合や、足元の冷えが気になる方には適した選択です。ただし、裾が広がりすぎないフォーマルなデザインを選びましょう。

Q. 鞄は普段使いの黒バッグでいい?

普段使いのバッグは、金具が目立ったり、ブランドロゴが大きく入っていたりすることが多いため注意が必要です。葬儀用の布製(フォーマルバッグ)を用意しておくのがベストです。荷物が多い場合は、黒のサブバッグ(無地)を併用しましょう。


まとめ:故人を偲ぶ気持ちを形にする

葬儀の服装で最も大切なのは、「悲しみの場にふさわしい控えめな装い」を意識することです。流行を追う必要はありません。清潔感があり、周囲に不快感を与えないマナーを守ることで、故人とのお別れの時間に専念することができます。

一度、クローゼットにあるブラックフォーマルのサイズや状態を確認してみてください。シワがないか、丈が短すぎないか、小物が揃っているかをチェックしておくだけで、万が一の際にも落ち着いて対応できるはずです。

もし、今すぐ必要な小物が足りない場合は、早めにフォーマル専門店や百貨店で相談することをおすすめします。


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