仏式の香典の包み方詳細|基本から細部のマナーまで
葬儀の際に持参する香典は、弔意を形にして遺族へ伝える大切な心遣いです。特に仏式の葬儀は日本で最も一般的であり、香典の包み方や表書きの書き方には細かな決まりがあります。ここでは、仏式の香典の正しい包み方を、初めての方でも分かりやすいように手順ごとにまとめました。
1. 香典袋の選び方
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水引:黒白または双銀の「結び切り」を使用。
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デザイン:蓮の花が描かれたものは仏式専用。宗派不問で使えるシンプルな無地タイプも安心。
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避けるべきもの:蝶結び(水引がほどけるもの)は慶事用なので不適切。
2. 表書きの書き方
宗派によって適切な表書きが変わります。
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一般的には「御霊前」を使用(四十九日まで)。
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浄土真宗では「御仏前」が基本。
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曹洞宗・天台宗・真言宗などでは「御霊前」を用い、忌明け後の法要では「御仏前」。
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書くときは 薄墨 を使用し、毛筆または筆ペンが望ましい。
3. 中袋の書き方
中袋(中包み)がある場合は以下を記載します。
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表面:包む金額を漢数字で記入(例:金壱萬圓)。
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裏面:住所・氏名をフルネームで記載。
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中袋がないタイプの香典袋なら、外袋の裏面に記載する。
4. お札の入れ方
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人物の顔を下に向け、裏返して入れるのがマナー。
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複数枚入れる場合は向きを揃える。
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新札は避ける(不幸を予期して準備した印象になるため)。
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ただし折り目や汚れがひどいお札も失礼なので、使い込まれていない程度のものが理想。
5. 香典袋の包み方
香典袋自体をさらに半紙や奉書紙で包むこともあります。
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表面が上になるように包み、裏側の折り返しは下側が上にかぶさる形に。
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「悲しみを押しつぶす」という意味合いを持つ。
6. 袱紗(ふくさ)の使い方
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香典袋はそのまま持参せず、袱紗に包んで持参するのが正式。
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袱紗の色は 紺・緑・灰色・紫 など落ち着いた寒色系。
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会場に到着したら、受付で袱紗から取り出し、両手で差し出す。
まとめ
仏式の香典の包み方は、
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黒白または双銀の結び切りの香典袋を選ぶ
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宗派に合わせた表書きを薄墨で書く
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中袋に金額・住所・氏名を記入
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お札は顔を下に、裏返して入れる
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袱紗に包んで持参する
この手順を押さえておけば、仏式の葬儀でも恥をかかず、故人や遺族に誠意を伝えられます。