葬儀の供花で失敗しないマナー完全版|宗教別の花選びから名札の書き方まで
大切な方の訃報に接した際、故人様への弔意を表し、ご遺族の悲しみに寄り添う形として贈られるのが「供花(きょうか)」です。葬儀の場に飾られるお花は、祭壇を荘厳に彩るだけでなく、参列できない方が遠方から想いを届ける役割も果たします。
しかし、供花には宗教ごとの慣習や、地域独特のルール、さらには贈るタイミングなど、知っておくべき作法が多く存在します。良かれと思って手配したお花が、マナー違反となってご遺族を困惑させてしまうことは避けたいものです。
本記事では、葬儀に供花を贈る際に知っておきたい基本マナーから、費用相場、宗教別の最適な花選び、そして間違いやすい名札の書き方まで、専門的な視点で詳しく解説します。
1. 供花(きょうか)とは?贈る意味と基本的な役割
供花とは、お通夜や葬儀・告別式の会場に、故人様への供養として供えるお花のことです。死者を弔い、その霊を慰めるという意味が込められています。
また、供花はご遺族に対するお悔やみの気持ちを表現するものでもあります。式場に並ぶお花の数は、故人様がこれまで築いてきた人徳や繋がりの象徴ともなり、ご遺族にとって大きな励ましや慰めとなります。
2. 【宗教別】供花にふさわしい花の種類と選び方
日本の葬儀は、仏教、神道、キリスト教など信仰によって形式が異なります。供花を選ぶ際、最も注意すべきなのが「宗教に合わせた花材の選定」です。
仏式(仏教)の葬儀
日本の葬儀で最も一般的な仏式では、白を基調とした落ち着いた色合いが選ばれます。
代表的な花材: 菊、ユリ、カーネーション、蘭(胡蝶蘭)、ストックなど。
色使い: 基本は「白上がり」ですが、最近では故人様が生前好んでいた色(薄いピンクやブルー、紫など)を淡く混ぜることも増えています。ただし、トゲのあるバラや、殺生を連想させるお花は避けるのが通例です。
神式(神道)の葬儀
神道の葬儀においても、仏式と大きく変わりませんが、より「白」と「葉」の純潔さが重視されます。
代表的な花材: 白菊、ユリ、蘭。
特徴: 神道では「榊(さかき)」を捧げるのが本来の儀式(玉串奉奠)ですが、供花として贈る場合は白いお花が中心となります。仏教特有の「蓮(はす)」のデザインが入ったものは避けましょう。
キリスト教の葬儀
キリスト教では、仏式のような「籠盛り」や「フラワースタンド」の概念が少し異なります。
代表的な花材: カーネーション、バラ、ユリ。
特徴: 菊はあまり使われず、洋花がメインとなります。また、キリスト教では死を「天国への門出」と捉えるため、明るい色合いの花も受け入れられます。なお、バラを贈る際は、棘をあらかじめ取り除いておくのが最低限のマナーです。
3. 供花の費用相場と贈り方の形式
供花の価格は、お花のボリュームや種類、スタンドの段数によって変動します。
| 形式 | 1基(1つ)の相場 | 1対(2つ)の相場 |
| 籠盛り・アレンジメント | 10,000円 ~ 15,000円 | 20,000円 ~ 30,000円 |
| スタンド花(1段) | 15,000円 ~ 20,000円 | 30,000円 ~ 40,000円 |
| スタンド花(2段) | 20,000円 ~ 30,000円 | 40,000円 ~ 60,000円 |
1基と1対の違い: 昔は左右対称に置く「1対(いっつい)」が基本でしたが、現在は式場のスペースの都合上「1基(いっき)」で贈ることが一般的になっています。会社関係や親族一同など、連名で贈る場合は15,000円〜20,000円程度のものを選ぶと見栄えが良くなります。
4. 失敗しない供花の手配手順
供花を贈る際は、街のお花屋さんに直接頼むよりも確実な方法があります。
ステップ1:葬儀社へ直接依頼する
これが最も確実でマナーに沿った方法です。葬儀会場には、全体の統一感やスペースの兼ね合いから、提携している葬儀社以外からの持ち込みを制限している場合があります。斎場へ連絡し、「〇〇様の葬儀に供花を出したい」と伝えれば、カタログや注文書を案内してもらえます。
ステップ2:注文期限を厳守する
お通夜に間に合わせる場合: 当日の午前中まで
告別式に間に合わせる場合: 前日の夕方まで
万が一、葬儀に間に合わない場合は、無理に会場へ送るのではなく、後日「枕花」や「後飾り」としてご自宅へお届けするのがスマートです。
ステップ3:ご遺族の意向を確認する
最近の家族葬などでは、ご遺族が「供花・供物の儀は謹んで辞退申し上げます」とされているケースがあります。その場合は、無理にお花を贈ることはマナー違反となります。不明な場合は葬儀社に確認しましょう。
5. 札名(名札)の書き方とマナー
供花には、誰から贈られたものかを一目で判別できるよう「札名(芳名札)」を立てます。
個人で贈る場合: 氏名をフルネームで記載。
親族で贈る場合: 「子供一同」「孫一同」「親戚一同」など。
会社で贈る場合: 「株式会社〇〇 代表取締役 氏名」や「株式会社〇〇 〇〇部一同」。
友人と連名で贈る場合: 「友人一同」や「〇〇大学同窓生一同」など。
※名前の漢字間違いは、故人様やご遺族に対して非常に失礼にあたります。必ず注文時に正確な漢字を伝えるようにしましょう。
6. 供花と間違いやすい「枕花」「献花」「花輪」
枕花(まくらばな): 遺体が安置されている枕元に飾るお花です。特に関係が深かった方が、訃報を受けてすぐに届けます。
献花(けんか): キリスト教式や無宗教葬で、参列者が一人一輪ずつ祭壇に捧げる儀式的なお花です。
花輪(はなわ): 造花で作られた大きな輪状の飾りです。地域によっては一般的ですが、都市部の斎場では設置場所の都合上、断られるケースが増えています。
まとめ:真心を込めた供花で最後のお別れを
供花は、故人様を華やかに送り出し、残されたご遺族の心に光を灯すための贈り物です。宗教や地域のルールを尊重し、正しい手順で手配することで、あなたの深い哀悼の意がより真っ直ぐに伝わります。
形式に迷ったときは、独断で判断せず、葬儀を担当しているプロ(葬儀社)に相談するのが一番の近道です。適切な花選びと迅速な手配で、後悔のない最後のお別れをしましょう。
供花を葬儀に贈る際の完全ガイド!マナーから相場、喜ばれる選び方まで徹底解説