生前葬のあとに必要な「死後事務」の段取り|火葬・納骨・遺品整理を家族に託すためのチェックリスト


生前葬は「存命のうちに感謝を伝える」素晴らしい式典ですが、それだけで全てが完結するわけではありません。人間が亡くなった後には、法律的・社会的に必ず行わなければならない手続きや作業が発生します。これを**死後事務(しごじむ)**と呼びます。

生前葬を行ったからといって、家族は何もしなくて良いわけではなく、むしろ「生前葬の直後はシンプルな葬儀にしてほしい」という希望を叶えるために、計画的な段取りが必要です。

この記事では、生前葬の後に家族が迷わないよう、火葬から納骨、遺品整理までの具体的な流れと、家族に託すべきチェックリストを解説します。


生前葬と「死後事務」の関係

生前葬は「お別れ会」であり、火葬や納骨といった「お葬式」の役割をすべて代行するものではありません。

1. 法律的な手続きは別途必要

人が亡くなると、医師による死亡診断書の発行、役所への死亡届の提出、火葬許可の申請が必要です。これらは亡くなった直後に行わなければなりません。

2. 「生前葬のあと」の方針を決めておく

生前葬で感謝を伝えた後は、大掛かりな葬儀は行わず、「火葬のみ(直葬)」で済ませるケースが増えています。その場合、誰がどこへ連絡し、どのように進めるのかを明確にしておくことが、トラブルを防ぐ最大のポイントです。


死後事務チェックリスト:家族に託す5つの項目

生前葬の準備段階で、以下の内容を家族と共有し、リスト化しておきましょう。

1. 医療・介護機関への連絡

  • 亡くなった直後に連絡する医師やケアマネージャーの連絡先。

  • 入院中や施設に入っている場合は、その施設の連絡先。

2. 葬儀・火葬の段取り

  • 生前葬を依頼した葬儀会社、または火葬のみを依頼する葬儀会社。

  • 生前葬と亡くなった後の葬儀を別の会社にする場合の連絡先。

  • 葬儀のスタイル(「火葬のみで良い」「お経は不要」などの具体的な希望)。

3. 菩提寺・お墓の管理

  • 菩提寺がある場合の連絡先。

  • お墓の場所と、納骨をいつ、どのように行うか(生前葬でお経を読んでもらったからといって、納骨も同じお寺でできるとは限りません)。

4. 遺品整理・片付け

  • 残された衣服や家具をどうするか(処分、寄付、形見分け)。

  • 貴重品(通帳、実印)の保管場所。

5. 行政手続き・解約

  • 健康保険証の返却、年金の停止手続きの期限。

  • 携帯電話、公共料金、クレジットカードの解約。


具体的な段取り:生前葬の後から納骨まで

生前葬からお別れまでの、一般的なフローです。

  1. 生前葬の実施:感謝を伝え、思い出を作る。

  2. エンディングノートの活用:上記チェックリストを記入したノートを家族に預ける。

  3. 逝去:医師による死亡判定。

  4. 搬送・安置:依頼済みの葬儀会社に連絡し、遺体を安置場所に運ぶ。

  5. 火葬:死亡届を提出し、許可を得て火葬を行う。

  6. 納骨:お墓や納骨堂へ遺骨を収める。


後悔しないためのトラブル回避ポイント

家族に負担をかけず、納得のいく形で人生の締めくくりを迎えるための注意点です。

1. 菩提寺には必ず事前に相談する

生前葬を行いたいお寺と、亡くなった後の葬儀・納骨を行ってくれるお寺は同じであることが多いです。生前葬だけを別の場所(ホテルなど)で行う場合、お寺の理解を得ておかなければ、最悪の場合、納骨を断られる可能性があります。

2. 死後事務委任契約の検討

もし頼める家族や親族が近くにいない、あるいは家族に負担をかけたくない場合は、専門の行政書士や葬儀会社と「死後事務委任契約」を結び、手続きを代行してもらう選択肢もあります。


まとめ

生前葬で明るく別れを告げた後、残された家族が迷わずに済むように準備しておくことこそが、本当の「終活」です。

  • 火葬や納骨の段取りを明確にし、チェックリストとして残す。

  • 菩提寺との関係性を含め、家族と方針を共有する。

計画的に事務手続きを家族へ託すことで、あなたも家族も、安心してお別れの時を迎えることができます。



生前葬で自分らしい最期をプロデュース。費用相場からメリット、トラブルを防ぐ準備の進め方