葬儀の生花(供花)で失敗しないためのマナーと相場|心を込めた贈り方と手配のコツ


大切な方との最後のお別れの場である葬儀。その祭壇を彩り、故人への感謝の気持ちを表すのが「生花(せいか)」、いわゆる供花(きょうか)です。

「急な訃報で、どんな花を贈ればいいのかわからない」「失礼のない相場や贈り方は?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。特に、お花は宗教や地域の習わしによってルールが異なるため、良かれと思ってしたことがマナー違反になってしまうことも少なくありません。

この記事では、葬儀の生花に関する基本的なマナーから、最新の相場、宗教別の選び方、そして手配時の注意点までを徹底的に解説します。ご遺族に余計な負担をかけず、かつ、あなたの弔意がしっかりと伝わるためのガイドとしてお役立てください。


葬儀の生花(供花)とは?その意味と役割

葬儀に供えられる花には、大きく分けて「供花(きょうか)」「花輪(はなわ)」「献花(けんか)」「枕花(まくらばな)」の4種類があります。

一般的に「葬儀にお花を出したい」という場合に指すのが供花です。これには以下の役割があります。

  1. 故人への弔意を表す:言葉にできない哀悼の意を花に託します。

  2. 会場を飾る:寂しくなりがちな式場を華やかに彩り、故人を送り出します。

  3. 遺族を励ます:多くの花に囲まれることで、遺族は「これほど多くの方に慕われていたのだ」と心の支えを得ることができます。

最近では、大きな花輪よりも、祭壇のデザインに合わせた生花のスタンドやアレンジメントが主流となっています。


宗教別・葬儀にふさわしい生花の選び方

日本で行われる葬儀は仏式が最も多いですが、神式やキリスト教式では選ぶべき花やスタイルが大きく異なります。

仏教(仏式)の葬儀

仏式の葬儀では、白を基調とした落ち着いた色が基本です。

  • 花の種類: 菊、カーネーション、ユリ、蘭などが一般的です。

  • 色使い: 白一色が最も無難ですが、最近では故人が好きだった色や、淡いピンク、ブルー、紫などを混ぜることも増えています。ただし、四十九日までは白をメインにするのが伝統的なマナーです。

神道(神式)の葬儀

神道の葬儀も、仏式と大きくは変わりませんが、より厳格に「白」が好まれます。

  • 花の種類: 菊やユリが中心です。

  • 注意点: 以前は「榊(さかき)」を供えるのが一般的でしたが、現代の斎場での葬儀では、仏式と同様の白い供花を贈るのが一般的です。

キリスト教の葬儀

キリスト教の場合、仏式のような「名札(芳名板)」を立てた大きなフラワースタンドはあまり用いられません。

  • スタイル: 籠に盛られた「バスケットフラワー」が主流です。

  • 花の種類: カーネーションやバラ(棘を除いたもの)、ユリなどが好まれます。

  • 贈り先: 教会へ直接贈る場合と、ご自宅へ贈る場合があります。事前に確認が必要です。


葬儀の生花の相場はいくら?

供花を贈る際、最も気になるのが金額の目安です。安すぎると失礼にあたり、高すぎるとご遺族に気を遣わせて(お返しなどの負担を増やして)しまいます。

贈り主の立場相場の目安(1基あたり)備考
親族15,000円 〜 30,000円兄弟姉妹や親戚で揃えることが多い
友人・知人10,000円 〜 15,000円連名で贈るのも一般的
会社・団体15,000円 〜 20,000円法人名義で贈る場合は見栄えを重視

※「1基(いっき)」と「1対(いっつい)」の違い

  • 1基: スタンド花やアレンジメント1つ。

  • 1対: 祭壇の左右に飾るための2つセット。

    最近では会場のスペースの都合上、「1基」で贈るのが主流になっています。


失敗しないための手配手順とマナー

供花を贈る際には、独自のルールが存在します。以下のステップを踏むことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

1. 葬儀社へ直接問い合わせる

最も確実で推奨される方法は、葬儀を担当している葬儀社に注文することです。

  • 理由1: 祭壇のデザインや色味を統一している場合、外部の花屋からの持ち込みを断られることがあります。

  • 理由2: 外部からの持ち込みには「持ち込み料」が発生することがあります。

  • 理由3: 会場の設置スペースを把握しているため、最適なサイズを選べます。

斎場(セレモニーホール)に連絡し、「〇〇家の葬儀に供花を出したいのですが、どちらの葬儀社様が担当されていますか?」と聞けば教えてもらえます。

2. 「辞退」の意向がないか確認する

最近の家族葬や直葬では、ご遺族が「御供花・御供物の儀は固くご辞退申し上げます」と案内を出している場合があります。この場合、無理に贈ることはマナー違反であり、ご遺族の負担になってしまいます。訃報連絡の文面をよく確認しましょう。

3. 名札(芳名板)の書き方

供花には、誰からの贈り物かを記す「名札」を付けます。

  • 個人名: 氏名をフルネームで書きます。

  • 連名: 右から目上の順に書きます(最大3名程度)。それ以上の場合は「友人一同」などとします。

  • 会社名: 「会社名+役職名+氏名」を記載します。

4. 贈るタイミング

お通夜に間に合わせるのがベストです。訃報を聞いたらすぐに手配に動く必要があります。お通夜に間に合わない場合は、翌日の告別式に間に合うように手配します。もし両方に間に合わない場合は、葬儀後にご自宅へ「枕花」や「後飾り」として贈る方法を検討しましょう。


供花に関するよくある質問(FAQ)

Q. バラを贈ってもいいですか?

A. キリスト教式では一般的ですが、仏式では「棘(とげ)のある花」は殺生を連想させるため、基本的には避けられます。どうしても贈りたい場合は、葬儀社が棘を処理して対応してくれることもありますが、基本的には菊やユリ、カーネーションが無難です。

Q. 自分の好きな花屋で注文して配送してもいいですか?

A. 前述の通り、斎場によっては外部からの搬入を制限している場合があります。まずは葬儀社に確認し、「持ち込みが可能か」「持ち込み料はいくらか」を聞いてから判断しましょう。

Q. 供花代(お花代)を現金で渡すのはあり?

A. 遠方で花を贈る手配が難しい場合や、すでにお花がいっぱいで置けないことが予想される場合、「御花代」として現金を包むこともあります。この場合、不祝儀袋の表書きを「御花代」としてお渡しします。


まとめ:心を届けるために

葬儀の生花は、故人の旅立ちを彩る最後のプレゼントです。高価なものを贈ることよりも、**「ご遺族の意向に沿い、失礼のない形でお届けすること」**が何よりの供養になります。

迷ったときは、まず葬儀社に相談すること。それが、地域特有のルールや会場の制限をクリアし、最も美しい状態でお花を届ける近道です。

あなたの優しい心遣いが、悲しみの中にいるご遺族の心を少しでも癒すことを願っています。


【チェックリスト】手配前に確認すること

  • [ ] 葬儀の日時と場所

  • [ ] 担当の葬儀社名と電話番号

  • [ ] ご遺族が供花を辞退していないか

  • [ ] 予算(相場に合っているか)

  • [ ] 名札に記載する正しい名称(漢字の間違いに注意)

適切に手配された美しい生花は、言葉以上に故人への敬意を伝えてくれるはずです。


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