葬儀で使ってはいけない「忌み言葉」一覧|無意識に使いがちなNG表現と正しい言い換え
葬儀の場では、悲しみの中にいる遺族を傷つけないよう、また不幸を繰り返さないよう、古くからのマナーとして「使ってはいけない言葉」が存在します。これを「忌み言葉(いみことば)」と呼びます。
いざ喪主として挨拶をする際や、受付で悔やみの言葉を伝える際、無意識に普段使っている言葉がマナー違反になってしまうことは少なくありません。この記事では、葬儀で避けるべき表現とその理由、そして安心感を与える正しい言い換えについて詳しく解説します。
1. 葬儀で避けるべき「忌み言葉」の3つのカテゴリー
忌み言葉は、大きく分けて3つのグループに分類されます。なぜその言葉が良くないのか、理由を知ることで自然と配慮ができるようになります。
① 不幸が重なることを連想させる「重ね言葉」
同じ言葉を繰り返す「重ね言葉」は、不幸が再びやってくる、重なるといった意味を連想させるため、慶事と同様に葬儀でもタブーとされています。
代表例: 益々(ますます)、度々(たびたび)、重ね重ね(かさねがさね)、再三(さいさん)、くれぐれも、しばしば、次々、いよいよ
② 不幸の継続・再来を連想させる言葉
「続く」ことや「再び」といったニュアンスを含む言葉も、お葬式の場では避けられます。
代表例: 引き続き、追って、再び、再来、続く、次に、また
③ 直接的な生死の表現(露骨な言葉)
「死」を直接表現することは、遺族の悲しみを増幅させるため、控えめな表現に置き換えるのが礼儀です。
代表例: 死ぬ、急死、存命中、生きている頃、自殺、四(死に通じる)、九(苦に通じる)
2. 【シーン別】これだけは押さえたい正しい言い換え
実際に挨拶や会話で使いがちなフレーズを、どのように言い換えるべきかまとめました。これを知っておくだけで、失礼のないスマートな対応が可能になります。
挨拶・会話での言い換え表
| 普段の表現 | 葬儀での適切な言い換え |
| 死ぬ、亡くなる | ご逝去、他界、帰幽(神道)、眠りにつく |
| 生きている時 | 生前、ご存命の折、お元気な頃 |
| 急死した | 急逝された、突然のことで |
| また会いましょう | いずれまた(「また」は避ける) |
| 頑張ってください | お体をおいといください、無理をなさいませんように |
宗教による違いに注意
特に注意したいのが、仏教用語を他の宗教(神道やキリスト教)で使ってしまうケースです。
「冥福(めいふく)」: 仏教の言葉です。神道やキリスト教では使いません。
「成仏(じょうぶつ)」: 同じく仏教用語です。
「お悔やみ申し上げます」: キリスト教では死を「永遠の命の始まり」と捉えるため、お悔やみではなく「安らかな眠りをお祈りします」といった表現が好まれます。
3. 無意識に使いがちな「NGワード」と対処法
自分では丁寧なつもりでも、実はマナー違反になりやすい表現があります。
「お疲れ様です」は避ける
ビジネスの癖でつい言ってしまいがちですが、葬儀の場では「この度はご愁傷様でございます」や「お力落としのないように」が適切です。
励ましの言葉がプレッシャーになることも
「しっかりしてください」「頑張って」という言葉は、深い悲しみの中にいる遺族にとって大きな負担になることがあります。「何かお手伝いできることがあれば、いつでもおっしゃってください」といった、寄り添う姿勢を伝える言葉を選びましょう。
4. 挨拶文を作成する際のチェックポイント
喪主として挨拶文を書くときは、以下の手順で忌み言葉をチェックしましょう。
まずは下書きを自由に書く: 故人への思いを優先して書き出します。
重ね言葉を探す: 「ますます」「重ねて」などが入っていないか見直します。
数字を確認する: 四や九といった忌み数字が入っていないか確認します。
ひらがなにする: 弔辞(ちょうじ)などでは、あえて「死」や「苦」を連想させる漢字を避け、ひらがなや別の表現に置き換えるのも一つの手です。
5. もし忌み言葉を言ってしまったら?
気をつけていても、緊張からつい忌み言葉を口にしてしまうことがあります。その場合は、慌てて言い直したり、その場で過度に謝罪し続けたりする必要はありません。
大切なのは、言葉の形式よりも「故人を悼み、遺族を思いやる気持ち」です。一瞬言葉が詰まったとしても、その後の振る舞いや、静かに手を合わせる姿で誠意は伝わります。
まとめ:マナーを守って心穏やかなお見送りを
「忌み言葉」を避けることは、単なる形式的なルールではなく、残された人たちへの「優しさ」の表れです。言葉一つひとつを丁寧に選ぶことで、故人との最後のお別れの時間が、より温かく、尊いものになります。
「何を話せばいいか分からない」と不安になったときは、短くても構いません。今回ご紹介したポイントを参考に、相手の心にそっと寄り添う言葉を選んでみてください。
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