喪主の挨拶は「カンペ」を見てもいい?緊張で困難な場面を乗り切る準備と話し方のコツ
大切な家族を亡くした直後、深い悲しみと忙しさの中で迎える葬儀。喪主として最も緊張するのが「挨拶」の場面ではないでしょうか。「大勢の前で言葉に詰まったらどうしよう」「内容を忘れて失礼があったら大変だ」と不安に感じるのは、ごく自然なことです。
結論から申し上げますと、葬儀の挨拶でカンペ(メモ)を見ながら話すことは、全く失礼にあたりません。
むしろ、伝えたい感謝の気持ちを丁寧に、間違いなく届けるための「誠実な準備」として、多くの参列者に好意的に受け入れられます。この記事では、カンペを用意するメリットや、緊張しても心に響く挨拶ができるコツを詳しく解説します。
1. 葬儀の挨拶でカンペ(メモ)を見ても良い3つの理由
「人前でメモを見るのは格好悪いのでは?」と心配する必要はありません。葬儀においてメモを用意することには、大きなメリットがあります。
① 精神的な負担を軽減できる
大切な方を亡くした直後の精神状態は、自分が思っている以上に不安定なものです。普段ならスラスラ話せる方でも、祭壇の前に立つと頭が真っ白になってしまうことがあります。手元に文章があるという安心感だけで、リラックスして式に臨むことができます。
② 感謝の言葉や名前のミスを防げる
葬儀の挨拶には、参列者への謝辞だけでなく、故人がお世話になった病院や介護施設、職場の方々への感謝が含まれることもあります。固有名詞や重要なエピソードを間違えずに伝えるために、メモは非常に有効な手段です。
③ 適切な時間内でまとめられる
悲しみのあまり話が長くなりすぎたり、逆に短すぎて言葉が足りなくなったりするのを防げます。事前に書いたものを読むことで、式次第に合わせた適切な長さ(1分〜3分程度)を保つことができます。
2. 恥ずかしくない「カンペ」の作り方と持ち込み方
「いかにもメモを読んでいます」という雰囲気を出したくない場合は、以下のポイントを意識して準備してみましょう。
「奉書紙」や「便箋」を使用する
小さなメモ帳やスマホの画面ではなく、白い便箋や折りたたんだ奉書紙に清書したものを持つと、儀式としての品位が保たれます。
大きな文字で書く
会場の照明が少し暗かったり、緊張で目がかすんだりすることもあります。読みやすいように、太いペンで大きな文字、適度な行間をあけて書きましょう。
箇条書きを活用する
一言一句を丸暗記しようとするのではなく、「感謝→エピソード→今後のお願い」といった流れを箇条書きにしておくだけでも、言葉が引き出しやすくなります。
3. 緊張しても大丈夫!心に響く話し方のコツ
挨拶の良し悪しは、滑らかさや流暢さでは決まりません。以下のコツを意識するだけで、参列者の心に届く挨拶になります。
ゆっくり、一言ずつ話す
緊張するとどうしても早口になりがちです。自分が「少し遅すぎるかな」と思うくらいのペースが、聞き手にはちょうど良く、落ち着いた印象を与えます。
視線を時々参列者に向ける
ずっと手元のメモを見たままでなく、文末や区切りの良いところで顔を上げ、参列者の方へ視線を向けるようにしましょう。これだけで「自分の言葉で話している」という実感が伝わります。
完璧を目指さない
たとえ声が震えても、言葉に詰まっても、それは故人を思う気持ちの表れです。詰まってしまったときは、焦らず一度深く息を吐きましょう。その沈黙さえも、故人を偲ぶ大切な時間の一部になります。
4. 挨拶の内容に迷った時の基本構成
何を書いていいか分からない時は、この流れに沿ってメモを作成してください。
参列への御礼: 「本日はお忙しい中、ご参列いただきありがとうございます」
故人の最期の様子: 「最期は家族に見守られ、安らかに旅立ちました」
生前のお付き合いへの感謝: 「皆様には生前、多大なるご厚情を賜りました」
今後の指導・鞭撻のお願い: 「残された私共にも、変わらぬお力添えをお願い申し上げます」
5. カンペを用意する際の注意点
一点だけ注意したいのが、**「忌み言葉」**のチェックです。
「重ね重ね」「たびたび」といった不幸が重なることを連想させる言葉や、直接的な表現(死ぬ、生きている頃など)が含まれていないか、書き出した後に一度見直しておくと安心です。
まとめ:一番大切なのは「伝えたい」という気持ち
喪主の挨拶は、流暢なスピーチを披露する場ではなく、故人に代わって感謝を伝える場です。カンペを見ることは、決して失礼なことではなく、むしろ「参列してくれた方々に失礼のないよう、しっかり伝えたい」という誠意の形です。
無理に暗記しようとしてプレッシャーを感じるよりも、丁寧なメモを用意して、落ち着いて最後のお別れに集中できるようにしましょう。あなたの素直な言葉が、何よりの供養になるはずです。
もし、具体的な文面の作成で困っている場合は、葬儀社の担当スタッフに相談してみるのも良いでしょう。数多くの式を見てきたプロが、状況に合わせた最適なアドバイスを添えてくれます。
他にも葬儀のマナーや準備について知りたいことがあれば、ぜひ関連記事も参考にしてみてください。
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