【例文集】出棺から精進落としまで。葬儀の各場面で喪主が述べる「短くも心に響く」一言
葬儀の喪主を務める際、最も心を砕くのが「どのタイミングで、何を話せばよいのか」という点ではないでしょうか。深い悲しみと慌ただしさの中にいるからこそ、長々と立派なスピーチをする必要はありません。むしろ、要点を押さえた「短くも心のこもった挨拶」が、参列者の胸に深く響くものです。
この記事では、出棺、献杯、精進落としなど、葬儀の各場面でそのまま使える具体的な文例をご紹介します。
1. 【出棺時】遺族を代表して述べる最も大切な謝辞
告別式の締めくくり、火葬場へ向かう直前の挨拶です。参列してくださった皆様へ、故人に代わって直接感謝を伝える最後の機会となります。
基本の文例(約1分〜2分)
「遺族を代表いたしまして、一言ご挨拶申し上げます。
本日はご多忙の折、故・(故人の名前)のために、最後までお見送りいただき誠にありがとうございます。
(故人の様子を少し添える)
生前、〇〇は仕事に厳しくも、趣味の盆栽を愛でる穏やかな一面がございました。入院中も皆様からのお見舞いや温かいお言葉を励みに、最期まで前向きに病と向き合っておりました。
こうして皆様に見守られ、旅立ちの時を迎えられましたこと、本人も何より喜んでいることと存じます。
これからは残された私共一同、故人の教えを忘れず、支え合って歩んでまいります。
故人の生前同様、今後とも変わらぬご指導を賜りますようお願い申し上げ、挨拶とさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。」
2. 【献杯・精進落とし】食事を始める前の簡潔な挨拶
火葬を終えた後、親族や親しい知人と共に食事(精進落とし)を共にする際に行う挨拶です。
献杯の挨拶(会食を始める際)
「本日は皆様のおかげで、滞りなく葬儀・告別式を終えることができました。
故人を偲びつつ、皆様とお食事を共にするお時間を設けさせていただきました。
思い出話などを伺いながら、ゆっくりお過ごしいただければ幸いです。
それでは、お手元のグラスをお持ちください。故人の安らかな眠りを祈りまして。……献杯(けんぱい)。」
3. 【お開き】会食を終了する際の締めくくり
精進落としを終え、解散となる際の挨拶です。長居をせず、感謝を述べてスマートに締めくくります。
お開きの文例
「本日は長時間にわたり、お付き合いいただき誠にありがとうございました。
名残は尽きませんが、夜も更けて(お時間も進んで)まいりましたので、これにてお開きとさせていただきます。
おかげさまで、家族一同、心穏やかに一日を終えることができました。
皆様、どうぞお足元に気をつけてお帰りください。本日は誠にありがとうございました。」
4. 挨拶を短く、かつ「心に響かせる」ための3つのポイント
多くの言葉を並べるよりも、以下の要素を意識することで、より誠実な思いが伝わります。
「自分だけの具体的な一言」を添える
テンプレート通りの言葉の中に、「〇〇が大好きだった母でした」「孫の笑顔に元気をもらっていました」といった、故人の素顔が見える具体的なエピソードを一言添えるだけで、挨拶に命が吹き込まれます。
無理に元気を装わず、ありのままの心境を
声が震えても、涙で言葉が詰まっても構いません。その姿そのものが、故人への最大の敬意であり、参列者の共感を呼びます。
「感謝」を軸にする
参列者への感謝、故人を支えてくれた方々への感謝。この「ありがとう」の気持ちを中心に据えれば、どのような場面でも失礼になることはありません。
5. 葬儀の挨拶でよくある疑問
Q. カンペを見ても大丈夫?
もちろんです。暗記に集中してしまい、肝心の気持ちが疎かになるよりも、メモを見ながら丁寧に話す方が誠実な印象を与えます。
Q. 忌み言葉が心配……
「たびたび」「重ね重ね」といった重ね言葉には注意が必要ですが、もしうっかり口にしてしまっても、過度に慌てて謝る必要はありません。一礼して落ち着いて話を続けましょう。
まとめ:あなたの言葉が一番の供養
喪主としての挨拶は、立派な演説である必要はありません。たとえ短く、不器用な言葉であっても、あなたが故人を想い、参列者に感謝するその気持ちこそが、何よりの供養になります。
この記事の文例を参考に、少しだけあなたらしい思い出を付け加えてみてください。それだけで、世界に一つだけの、心温まるお別れの挨拶になるはずです。
もし、葬儀全体の流れや当日の持ち物についても不安がある場合は、併せて他の解説記事もチェックしてみてください。
葬儀の喪主挨拶で失敗しないための完全ガイド:心に響く文例とマナー