直葬(ちょくそう)とは?火葬式を選びたい人が知っておくべきメリットと注意点
「葬儀はできるだけシンプルに執り行いたい」「故人の遺志を尊重して、大げさな式は避けたい」という考え方が広まる中で、近年選ぶ人が増えているのが「直葬(ちょくそう)」です。
直葬は、通夜や告別式といった宗教的な儀式を行わず、ごく限られた近親者のみで火葬のみを執り行う形態です。費用を抑えられるだけでなく、現代のライフスタイルや価値観に合った選択肢として注目されています。
この記事では、直葬の流れや費用、選ぶ際に後悔しないための注意点を詳しく解説します。自分たちにとって最適な見送りの形を考える参考にしてください。
直葬(火葬式)が選ばれる理由と主なメリット
直葬は、単に「簡素な葬儀」というだけでなく、精神的・経済的な負担を軽減できるといった多くのメリットがあります。
1. 葬儀費用を大幅に抑えることができる
一般的な葬儀では、斎場の使用料、祭壇の設営、通夜振る舞いの飲食接待費など、多額の費用がかかります。直葬の場合、儀式を省略するため、主な費用は火葬料、寝台車代、棺代、ドライアイス代などに限定されます。経済的な負担を最小限に抑えつつ、心を込めて見送ることが可能です。
2. 体力的・精神的な負担が少ない
高齢の遺族にとって、二日間にわたる通夜・告別式の参列や、多くの参列者への対応は大きな負担となります。直葬は参列者が限られるため、気を遣う場面が少なく、身内だけで静かに故人との最期の時間を過ごすことができます。
3. 短期間で執り行える
通夜や告別式の準備が必要ないため、逝去から火葬までのスケジュールが非常にシンプルです。遠方に住む親族への配慮や、慌ただしい準備に追われることなく、穏やかなお別れが実現します。
直葬の一般的な流れ:逝去から火葬まで
直葬を希望する場合、一般的な葬儀とは異なるスケジュールを把握しておく必要があります。
ご逝去・搬送:病院などで亡くなった後、寝台車でご遺体を安置場所(自宅または安置施設)へ搬送します。
安置:法律により、逝去後24時間は火葬することができません。その間、ご遺体を安置し、役所への死亡届の提出や火葬場の手配を行います。
納棺:ご遺体を棺に納めます。この際、故人の愛用品(燃えるもの)を一緒に入れることも可能です。
出棺・火葬:安置場所から火葬場へ向かいます。火葬炉の前でお別れをし、数十分から2時間程度で収骨(お骨上げ)を行います。
解散:火葬が終われば、その場で解散となります。
後悔しないために知っておきたい注意点
直葬にはメリットが多い反面、特有の注意点も存在します。後々のトラブルを防ぐために、以下のポイントを確認しておきましょう。
親族や周囲の理解を得る
「葬儀は盛大に行うもの」という伝統的な考えを持つ親族がいる場合、直葬に対して理解を得られないことがあります。独断で決めず、事前にしっかりと話し合い、納得を得ておくことが円満な見送りのコツです。
菩提寺(ぼだいじ)への確認
先祖代々のお墓がある菩提寺がある場合、事前に相談せずに直葬を行うと、納骨を断られるケースがあります。仏式の儀式を省略することになるため、寺院へのマナーとして「直葬で行いたい」旨を伝え、了承を得ておくことが大切です。
「お別れの時間」の短さ
直葬は火葬場でのわずかな時間しかお別れができません。「もっとゆっくり顔を見ておけばよかった」と後悔しないよう、安置場所での面会が可能かどうかを葬儀社に確認し、納得のいく時間を確保しましょう。
まとめ:自分らしい見送りの形を見つける
直葬は、形にとらわれず、故人と遺族の想いを大切にする一つの選択肢です。大切なのは「費用の安さ」だけで選ぶのではなく、故人の人柄や遺族の気持ちに寄り添った形であるかどうかです。
最近では、直葬の後に改めて「お別れ会」を開いたり、散骨を検討したりするなど、供養の形も多様化しています。どのような形が自分たちにとって最も心地よいのか、事前の資料請求や相談を活用して、落ち着いて検討してみてはいかがでしょうか。