【失礼のない香典の包み方】これで安心!金額・渡し方の基本マナー徹底解説


大切な方を偲ぶ場であるお葬式。悲しみに暮れるご遺族に対し、弔意を示す香典は、故人様への供養の気持ちを込めてお渡しするものです。しかし、「香典袋の選び方がわからない」「お札の入れ方って決まりがあるの?」「マナー違反にならないか心配…」と、いざ準備となると戸惑ってしまう方も多いのではないでしょうか。

特に「現金をどう包むか」という点には、細かいけれど大切なマナーが存在します。不安な気持ちのまま準備を進めてしまうと、失礼にあたってしまう可能性も。

この記事では、あなたが自信を持って香典を準備できるよう、香典袋の選び方から、現金の正しい包み方(お札の向き・入れ方)、失礼のない渡し方まで、基本となるマナーを分かりやすく徹底的に解説します。この記事を読めば、香典に関するあなたの不安は解消され、落ち着いてお悔やみの気持ちを伝えられるようになりますよ。

1. 弔事の基本:香典袋(不祝儀袋)の選び方と表書き

香典を包む「香典袋(不祝儀袋)」には、様々な種類があり、宗教や包む金額によって使い分ける必要があります。

1-1. 宗教・宗派による香典袋の選び方

香典袋は、故人様やご遺族の宗教・宗派に合わせて選びます。

  • 仏教(浄土真宗以外):

    • 水引:黒白または双銀の結び切り

    • 表書き:「御霊前」

    • 四十九日を過ぎている場合:「御仏前」

  • 浄土真宗:

    • 四十九日前でも「御仏前」(故人はすぐに仏様になるという教えのため)

  • 神道(神式):

    • 水引:黒白または双銀の結び切り

    • 表書き:「御玉串料」「御榊料」

  • キリスト教:

    • 水引:不要。白無地の封筒や十字架・百合の花のモチーフのもの

    • 表書き:「お花料」「御ミサ料(カトリック)」

  • 宗教・宗派が不明な場合や、特定の宗教を信じていない場合:

    • 水引:黒白の結び切り

    • 表書き:「御霊前」

【重要】水引の選び方: 弔事では「二度と繰り返さない」という意味を持つ「結び切り」を使用します。蝶結び(花結び)は、お祝い事など「何度あっても良いこと」に使われるため、弔事では絶対に避けましょう。

1-2. 金額の目安と香典袋のグレード

香典袋は、包む金額に見合ったものを選ぶのがマナーです。

包む金額の目安香典袋の特徴
$\text{5,000円~1万円}$ 程度印刷された水引のもの、簡素な袋
$\text{1万円~3万円}$ 程度本物の水引(黒白または双銀)がかけられたもの
$\text{5万円以上}$上質な和紙でできた双銀の水引のもの(大判で豪華なもの)

高額になるほど、上質な和紙で、水引が豪華なものを選びます。

2. 知っておきたい!香典(現金)の正しい包み方

ここからは、いよいよ現金(お札)の包み方、つまり「お札の入れ方」について詳しく見ていきましょう。ここにも、ご遺族への配慮を示す大切なルールがあります。

2-1. 新札はNG!古いお札を使うのがマナー

香典では、新札(ピン札)を使うのはマナー違反とされています。「不幸を予期してあらかじめ準備していた」という印象を与えてしまうからです。

  • 新札しかない場合: 一度折り目をつけるなどして、古いお札の状態にしてから包むのが正しい作法です。

  • しわくちゃの汚いお札は?: あまりにも汚れていたり、破れていたりするお札は避け、適度に折り目がついたきれいなお札を選びましょう。

2-2. お札の向きは「裏側」に統一する

香典を包む際、お札の向きにも明確な決まりがあります。

【正しい入れ方】

中袋(または封筒)にお札を入れる際、肖像画(顔)が描かれている面を「裏」にして入れます。

【さらに】

中袋からお札を取り出した時、肖像画が裏側(下向き)になり、袋の「開け口」(取り出し口)から最も遠い位置にくるように入れます。

これは、「悲しみのあまり顔を伏せている」「故人様を悼み、顔を覆う」といった意味合いや、急いで駆け付けたため、不幸への準備をしていなかったという謙虚な気持ちを示す意味があると言われています。

2-3. 中袋(内袋)の書き方:住所・氏名・金額の記載

香典袋には、現金を直接入れる「中袋(内袋)」があるものが一般的です。

  • 表面: 中央に縦書きで包んだ金額を記入します。

    • $\text{3,000円}$ の場合:「金参仟圓」

    • $\text{5,000円}$ の場合:「金伍仟圓」

    • $\text{1万円}$ の場合:「金壱萬圓」

    • ポイント: 金額は、改ざん防止のため、**旧字体(大字)**で書くのが正式な作法です。

  • 裏面: 左下側に、郵便番号、住所、氏名を記入します。

    • ご遺族が香典返しやお礼をする際に必要となるため、正確に丁寧に記載しましょう。

【筆記具の注意点】

弔事では「涙で文字がにじむ」という意味合いから、**薄墨(薄い墨の色)**の筆や筆ペンを使用するのが正式なマナーです。中袋の金額や住所は、読みやすさを優先して黒で書いても差し支えないとする見方もありますが、表書きは薄墨を使うのが基本です。

3. 香典の金額と渡し方の基本作法

最後に、いくら包むべきか、どう渡すべきかという、重要なマナーを確認しましょう。

3-1. 金額は「$\text{4}$」や「$\text{9}$」を避ける

香典の金額は、故人様との関係性によって異なりますが、慶弔問わず「$\text{4}$(死)」や「$\text{9}$(苦)」を連想させる金額($\text{4,000円}$、$\text{9,000円}$など)は縁起が悪いとして避けましょう。

3-2. 香典を渡すタイミングと作法

香典は、受付で芳名帳に記帳する際にお渡しします。

  1. 袱紗(ふくさ)から出す: 香典は、汚れや水引の崩れを防ぐため、必ず袱紗に包んで持参します。受付では、袱紗から取り出します。

  2. 相手に向けて渡す: 受付の方に対し、「この度は心よりお悔やみ申し上げます」などの言葉を添え、香典袋の表書き(名前)が相手から読める向きにして両手で差し出します。

  3. 袱紗を台代わりに: 袱紗を畳んでその上に乗せてお渡しすると、より丁寧な印象になります。

まとめ:弔意を伝える心遣いが何より大切

香典の包み方や渡し方には、細かなマナーがたくさんあります。これらは全て、ご遺族への配慮と、故人様への弔意を丁寧に伝えるためのものです。

  • 香典袋: 宗教や金額に応じて適切なものを選ぶ。

  • お札: 新札は避け、肖像画が裏側(下向き)になるように入れる。

  • 表書き: 丁寧に薄墨で書く。

  • 渡し方: 袱紗から出し、相手に正面を向けて両手で渡す。

これらの知識があれば、もう香典で戸惑うことはありません。形式的なマナー以上に、故人様を偲び、ご遺族を思いやるあなたの真摯な心遣いが、何よりも大切であることを忘れないでくださいね。


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