故人に敬意を伝える!葬儀での焼香の正しい姿勢と作法ガイド


突然のお葬式で、**焼香(しょうこう)**の順番が回ってきたとき、「作法がわからない」「姿勢はこれでいいのかな?」と不安になる方は多いものです。

焼香は、故人様への弔意供養の心を伝える大切な儀式です。形式に完璧にとらわれる必要はありませんが、基本的な正しい姿勢流れを知っておくことで、落ち着いて故人様との最後の別れに臨めます。

この記事では、葬儀の形式に応じて異なる3つの焼香形式と、それぞれの場面で故人様に敬意が伝わる立ち居振る舞いを、わかりやすく解説します。


1. 焼香の基本姿勢と「心構え」

どの形式の焼香においても、仏教の教えに基づいた丁寧な姿勢が基本です。

1-1. 焼香の前に確認すべき基本の姿勢

  • 背筋を伸ばす: 姿勢を正すことで、自然と故人様やご遺族への敬意が伝わります。慌てず、ゆっくりと動作を行いましょう。

  • 数珠は左手に: 数珠(じゅず)は、仏様や故人様との縁をつなぐ大切な法具です。焼香の動作を行う右手を空けるため、左手の親指以外の指にかけて持ちます。

  • 息を吹きかけない: 線香や抹香の火を消す際、息を吹きかけるのはマナー違反です。これは人間の「けがれ」を嫌う仏教の考え方に基づきます。

1-2. 最も大切なのは「宗派の回数」より「心」

焼香の回数(1回、2回、3回など)や、抹香を額の高さまで持ち上げる**「押しいただく」**動作は、宗派によって異なります

ただし、参列者が故人様の宗派に合わせる必要はありません。もし宗派が不明であれば、「心を込めて1回」のお焼香で構いません。形式よりも、故人様を偲ぶ気持ちを優先しましょう。


2. 形式別:焼香台への「正しい立ち居振る舞い」

焼香には、会場の形式によって主に立礼(りつれい)座礼(ざれい)回し焼香の3つのスタイルがあります。

2-1. 立礼焼香(椅子席で行う場合)

椅子席の斎場で最も一般的な、立った姿勢で行う焼香です。

動作の流れ

  1. 移動と一礼: 自分の順番が来たら、静かに祭壇へ向かいます。焼香台の数歩手前で立ち止まり、まず僧侶、次にご遺族に向き直り、浅く一礼(15度程度)します。

  2. 祭壇前へ: 焼香台の前に進み、ご遺影(またはご本尊)に向かって深く一礼します。そのまま合掌(手を合わせる)します。

  3. お焼香: 合掌を解き、右手の親指・人差し指・中指の3本で抹香をつまみます。(宗派に従い)額の高さまで持ち上げて故人様を偲び、静かに香炉にくべます。

  4. 再び合掌: お焼香後、再び合掌し、故人様のご冥福を祈ります。

  5. 退席時の姿勢: 合掌を解き、ご遺影に向かって深く一礼します。そのままの向きで数歩下がり、ご遺族に向き直って一礼してから、自席に戻ります。この時、背中を丸めず、終始丁寧な姿勢を保ちましょう。

2-2. 座礼焼香(畳敷きの座敷で行う場合)

お寺の本堂や和室など、畳敷きの会場で正座して行う焼香です。移動時の姿勢が特に重要になります。

動作の流れ

  1. 移動時の姿勢: 焼香台まで遠い場合は、一度立ち上がって中腰で進みます。近い場合は**膝行(しっこう)**という、膝をついたまま移動する作法を用います。

  2. 座礼の準備: 焼香台の手前で正座します。正座のまま、僧侶、次にご遺族に向き直り一礼します。

  3. 焼香の動作: 正座の姿勢のまま、立礼と同様の作法でお焼香を行います。

  4. 退席: お焼香後、ご遺影に向かって一礼・合掌し、膝行で後方に下がります。ご遺族に一礼し、中腰または立ち上がって自席に戻ります。正座から立ち上がる際も、音を立てないよう静かに行います。

2-3. 回し焼香(席で香炉を回す場合)

狭い会場や参列者が多い場合、香炉と抹香を乗せたお盆が席を回ってくる形式です。

動作の流れ

  1. 受け取り: 隣の方から香炉が回ってきたら、軽く会釈をして受け取ります。お盆を自分の膝の前など、安定した場所に置きます。

  2. 焼香の動作: 座ったまま、ご遺影に向かって合掌・一礼し、立礼と同様の作法でお焼香を行います。この際、香炉を手で持ち上げたままお焼香をすると不安定になるため、必ず一度、前に置きましょう

  3. 次の方へ: お焼香と合掌を終えたら、軽く会釈をして次の方に香炉を回します。

葬儀の場では、故人様を悼む心を最優先に、一つ一つの作法を丁寧な姿勢で行うことが、何よりの供養になります。

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