夫婦で香典を出す時の完璧マナー！連名での正しい書き方と渡し方
「夫婦連名での香典」で悩んでいませんか？
大切な方のお見送り。弔意を表すために香典をお包みする際、「夫婦で出す場合は、どのように名前を書けばいいんだろう？」「夫の名前だけでいいの？」「中袋にも連名で書くの？」といった疑問や不安をお持ちではないでしょうか。
香典の書き方には、故人やご遺族への配慮を示すための厳格なマナーがあります。特に夫婦の連名での表書きや中袋の記載は、普段あまり行わないため、いざという時に戸惑いがちです。
この記事では、葬儀の場で失礼にあたらないよう、夫婦で香典を出す場合の連名の正しい書き方から、お札の入れ方、渡し方に至るまで、誰もが知っておきたい基本ルールを分かりやすく、詳しく解説します。
この記事を読めば、もう香典の書き方で迷うことはありません。自信を持って弔意を示す準備が整います。
夫婦で香典を出すのはどんな時？連名が適切なケース
まず、どのような場合に香典を夫婦連名で出すのが適切なのかを確認しましょう。基本的には、以下の2つのケースが一般的です。
1. 夫婦共通でお世話になった方への弔意
故人が、夫だけでなく妻も親しく交流があった方や、家族ぐるみでお付き合いがあった方の場合、夫婦連名でお包みするのが最も丁寧で自然です。例えば、親族、両家の共通の知人・友人、近所の方などがこれにあたります。
2. どちらかの名前で出すのが一般的なケース
原則として、香典は「世帯主」の名前で出すのが一般的なマナーです。つまり、ほとんどの場合は「夫」の名前だけで十分であり、これが失礼にあたることは一切ありません。
夫の職場関係者や上司など：夫の名前（世帯主）のみでOK。
妻の友人や知人など：妻の名前のみ、または夫の名前（世帯主）のみでOK。
【ポイント】
連名にするかどうかは、「誰がお世話になったか」「ご遺族が香典返しや整理をする際に、どちらの名前で受け取った方が分かりやすいか」という観点で判断すると良いでしょう。
【実践】夫婦連名での香典の正しい書き方（表書き・中袋）
香典の連名の書き方は、「表書き」と「中袋」でルールが異なります。それぞれ具体的にどのように書くのが正解かを見ていきましょう。
1. 香典袋の表書き（外側）の書き方
香典袋の表面には、通常、中央上部に「御霊前」や「御仏前」といった表書きを書き、その下に氏名を記載します。
世帯主（夫）の名前を主にする場合が基本
夫婦連名で香典を出す場合でも、基本的には「世帯主の名前をフルネームで書き、その左隣に妻の名前のみを記載する」のが正しい書き方です。
夫：フルネームで中央に記載
妻：夫の名前の左隣に、苗字を省略して名前だけを記載
【記載例】
「山田 太郎」
「花子」
なぜ妻は名前だけなの？
香典は「世帯主」が出すという考え方に基づき、妻は世帯主の配偶者として連名で出すため、苗字は夫と同じとみなされ省略するのが一般的かつ正しいマナーとされています。
夫婦が同姓でない、または事情がある場合
近年は、夫婦別姓のケースや、妻が世帯主であるケースもあります。このような特別な事情がある場合は、以下の書き方も許容されますが、一般的な葬儀では避ける方が無難です。
夫婦それぞれのフルネームを連ねる：
「山田 太郎」「佐藤 花子」（※夫婦別姓の場合など）
2. 中袋（内袋）の書き方
香典を包む中袋（内袋）は、ご遺族が香典返しや整理を行うための大切な情報源です。裏表に正確な情報を記載する必要があります。
表面の書き方：金額
縦書きで、中央に金額を記載します。
金額は必ず旧字体（大字）の漢数字で記載します。
例：「金伍萬圓」「金参萬圓也」
一：壱、二：弐、三：参、五：伍、十：拾、千：仟、万：萬
裏面の書き方：住所と氏名
ご遺族が迷わないよう、住所と氏名は夫婦連名で、以下の情報を正確に記載します。
郵便番号、住所：正確に記載
氏名：夫婦それぞれのフルネームを記載
【ポイント】
中袋の裏面では、表書きと異なり、夫婦それぞれのフルネームを記載するのが最も丁寧で親切です。これにより、ご遺族は誰からの香典なのかを明確に把握しやすくなります。
香典のお札の入れ方と渡し方のマナー
香典の書き方以外にも、お札の入れ方や葬儀会場での渡し方にもマナーがあります。
お札の入れ方：向きと新札の注意
肖像画の向き：お札の肖像画が**裏側（下向き）**になるように入れます。これは、悲しみの席であるため「顔を伏せる」という意味や、急いで用意したことを示すためと言われています。
新札はNG？：一般的に「不幸を予期していた」と誤解されないよう、新札は避けるのがマナーとされてきました。もし新札しかない場合は、一度折り目を付けてからお包みしましょう。
渡し方：受付でのマナー
葬儀会場の受付では、記帳を済ませた後、香典を**袱紗（ふくさ）**から取り出して両手で丁寧に渡します。
渡す人：夫婦連名の場合、基本的には夫（世帯主）が代表して渡します。
一言添える：「この度はご愁傷様でございます」「心からお悔やみ申し上げます」など、短いお悔やみの言葉を添えましょう。
まとめ：夫婦連名香典のポイント
夫婦連名での香典の書き方は、以下の3点を押さえておけば完璧です。
| 項目 | 正しい書き方（夫婦連名） | ポイント |
| 表書き（表面） | 夫のフルネームの左隣に妻の名前のみを記載 | 世帯主を主とし、妻は苗字を省略 |
| 中袋（裏面） | 夫婦それぞれのフルネームと正確な住所を記載 | ご遺族が整理しやすいようフルネームで |
| お札の向き | 肖像画が**裏側（下向き）**になるように入れる | 悲しみを表すための作法 |
香典は、故人への弔意とご遺族への心遣いを形にしたものです。正しい書き方やマナーを身につけておくことで、大切な葬儀の場で失礼のない振る舞いができ、心穏やかに故人のお見送りに専念できます。
これで、夫婦連名の香典に関する疑問は解消されたことでしょう。
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