香典に添える「のし紙」の正しいマナー｜選び方から書き方、意外と知らない常識まで徹底解説！

悲しい出来事でも心遣いは大切！香典に添える「のし紙」の基礎知識

こんにちは！大切な方とのお別れは、本当に辛いですよね。でも、そんな悲しい時だからこそ、故人やご遺族への心遣いを形にすることが大切です。その一つが「香典」ですが、みなさんはその香典に添える「のし紙」のマナーについて、どれくらいご存知ですか？

「のし紙って、お祝い事で使うものじゃないの？」

そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。実は、香典に添えるものは「のし紙」ではなく、正式には「不祝儀袋（ぶしゅうぎぶくろ）」や「香典袋（こうでんぶくろ）」と呼ばれます。この呼び方も地域や慣習によって少し違うことがありますが、一般的には不祝儀袋や香典袋と覚えておくと良いでしょう。

このブログでは、香典袋にまつわる基本的なマナーから、多くの人が意外と間違えがちなポイント、そして地域ごとの違いまで、分かりやすく解説していきます。これを読めば、いざという時にも慌てず、故人やご遺族に失礼のないように対応できますよ。

香典袋を選ぶ上で、最も重要なのが**水引（みずひき）**です。水引は、贈る相手への気持ちを表す大切な要素。お祝い事と弔事では、色や結び方が全く違うので注意が必要です。

水引の本数は、5本が一般的です。これは、縁起の良い奇数を用いるという考え方からきています。

結び切り: 一度きりであってほしいこと、繰り返さないことを願う意味が込められています。弔事はもちろん、結婚のお祝いなどにも使われます。
あわじ結び: 結び切りと同じく、一度結んだらほどけないことから、弔事にも使われます。見た目が複雑で豪華に見えるため、こちらも高額な香典に使われることが多いです。

香典袋を選ぶ際には、この「結び切り」や「あわじ結び」のものを選ぶようにしましょう。間違っても、お祝い事で使う「蝶結び（ちょうむすび）」を選ばないようにしてくださいね。

香典袋の書き方にも、守るべきマナーがあります。特に大切なのが「表書き」と「氏名」の書き方です。

香典袋の表書きや氏名は、薄墨の筆ペンで書くのが一般的です。これは、「突然の訃報に、墨を磨る時間も惜しいほど駆けつけた」という悲しみを表現するためと言われています。

もし手元に薄墨の筆ペンがなければ、黒の筆ペンやサインペンでも構いませんが、できれば薄墨を使うことで、より丁寧な気持ちが伝わります。

故人の宗派によって、表書きは異なります。

仏式: 「御霊前（ごれいぜん）」「御香料（ごこうりょう）」「御仏前（ごぶつぜん）」など。
- 「御霊前」は、宗派を問わず四十九日の法要までは使えます。
- 「御仏前」は、四十九日の法要後、故人が仏様になった後に使うのが一般的です。
神式: 「御玉串料（おんたまぐしりょう）」「御榊料（おんさかきりょう）」「御神前（ごしんぜん）」
キリスト教式: 「お花料（おはなりょう）」「御ミサ料（ごみさりょう）」

宗派が分からない場合は、「御霊前」と書くのが無難です。

氏名は、水引の下にフルネームで書きます。連名の場合は、右から目上の方の氏名を書くのが一般的です。

ここからは、さらに詳しく知っておきたい香典袋の豆知識をご紹介します。

ほとんどの香典袋には、中にお金を入れるための「中袋（なかぶくろ）」が入っています。この中袋には、住所、氏名、そして入れた金額を丁寧に記載しましょう。金額を書く際は、「旧字体の漢数字」を使うのが一般的です。

【旧字体の漢数字の例】

お金の入れ方にもマナーがあります。お札は、肖像画が裏側になるように入れましょう。悲しみを表現するため、「顔を伏せる」という意味合いがあります。

香典をそのままカバンに入れるのは、マナー違反とされています。香典袋を汚したり、折れたりしないように、**袱紗（ふくさ）**に包んで持参するのが正式なマナーです。

袱紗は、慶事には明るい色、弔事には紫や紺、緑などの落ち着いた色を選びます。もし袱紗がなければ、ハンカチで代用することもできますが、できれば弔事用のものを用意しておくと安心です。

いかがでしたか？香典袋のマナーは、一見すると複雑に感じるかもしれませんが、その一つ一つに故人やご遺族への深い思いやりが込められています。

「のし紙」ではなく「不祝儀袋」や「香典袋」と呼ぶこと。

水引は「結び切り」や「あわじ結び」のものを選ぶこと。

薄墨で丁寧に書くこと。

これらの基本を押さえるだけで、あなたの心遣いはきっと伝わります。

この記事が、いざという時にあなたの助けとなり、大切な方を悼む気持ちを、より丁寧に届けるための一助となれば嬉しいです。