【間違えない!香典返しの熨斗紙マナー完全ガイド】水引・表書き・名前の書き方を徹底解説
1. はじめに:「熨斗紙」の不安を解消しませんか?
葬儀後に贈る香典返しは、故人への弔意に対し、遺族からの感謝を伝える大切な儀礼です。品物選びも大切ですが、その品物に掛ける**熨斗紙(のし紙)**のマナーを間違えてしまうと、「失礼にあたるのでは?」と不安になる方も多いでしょう。
実は、香典返しに使う紙は厳密には「熨斗紙」ではなく、**「掛け紙(かけがみ)」**と呼ぶのが正しいのをご存知でしょうか? 「熨斗(のし)」はもともと慶事(お祝い事)に使われるものだからです。
この記事では、香典返しにふさわしい掛け紙の正しい選び方、水引(みずひき)の色や結び方、そして最も重要な表書き(おもてがき)や名前の書き方について、宗派ごとの違いも含めて、専門的な知識をわかりやすく解説します。
もうマナーで悩まない!自信をもって香典返しを贈るために、ぜひ最後までお読みください。
2. 香典返しに「熨斗」は使わない? 正しい掛け紙の基本
香典返しなどの弔事(ちょうじ)の贈答品には、熨斗(のし)が付いていない**「掛け紙」**を使用するのがマナーです。
2-1. そもそも「熨斗(のし)」とは?
熨斗とは、紙を細長く折り、のしあわびを包んだ飾りのことです。こののしあわびは、昔から「生もの」を意味し、長寿の象徴や慶事の贈り物に添えられてきました。
弔事では、**「悲しい出来事は二度と繰り返さない」**という意味合いから、慶事を連想させる熨斗(のし)が付いた「熨斗紙」は使用しません。
2-2. 掛け紙の「水引」を選ぶポイント
掛け紙の要となる水引は、弔事の気持ちを伝えるための重要な要素です。
項目 | 詳細 | 選び方の理由 |
色 | 黒白(くろしろ)または双銀(そうぎん) | 不幸を悼む気持ちを表す最も一般的な組み合わせです。高額な品物や地域によっては双銀を使用します。 |
結び方 | 結び切り(むすびきり) | 「一度結んだらほどけない」ことから、「不幸が二度と起きないように」との願いが込められています。 |
本数 | 4本または5本 | 慶事では奇数(5本、7本など)が使われますが、弔事では偶数の4本を使うこともあります。近年は5本組も一般的です。 |
【注意点】
紅白の水引や蝶結びは、慶事に使うため絶対に避けましょう。
黄白の水引は、主に関西地方や西日本で多く使われるため、地域の慣習に合わせて選びます。
3. 表書きと名前の正しい書き方
掛け紙には、上段(水引の上)に表書き、下段(水引の下)に名前を記入します。宗派や地域によって書き方が異なるため、注意が必要です。
3-1. 表書き(上段)の書き方
表書きは「何のための贈答品か」を示すものです。宗教によって適した言葉が異なります。
宗教・宗派 | 表書きの書き方(一般) | 特徴・補足 |
仏式全般 | 志(こころざし) | 宗教を問わず広く使える最も一般的な表書きです。 |
仏式(禅宗・浄土真宗など) | 満中陰志(まんちゅういんし) | 主に関西地方で使われることが多い言葉で、忌明け(四十九日)を迎えられた感謝を表します。 |
神式(しんしき) | 志(こころざし)、偲び草(しのびぐさ) | 「偲び草」は仏教の満中陰志に近い意味合いで使われます。 |
キリスト教式 | 志(こころざし)、御礼(おんれい) | 忌明けの概念がないため、法要後の記念式に合わせて「御礼」を使うこともあります。 |
【高単価キーワード対策】
**「志」は、宗派を問わず使え、汎用性が高いため迷ったときに最適です。しかし、地域性が強い「満中陰志」**は、特定の地域での検索ニーズが高く、広告単価も高くなりやすいため、関西圏の読者を意識する場合は積極的に使うと効果的です。
3-2. 名前(下段)の書き方
名前は、喪主(もしゅ)の氏名、または**「〇〇家」**と書くのが一般的です。
喪主のフルネーム: 喪主が明確な場合は、フルネームを水引の下、中央に記入します。
「〇〇家」: 姓のみ、または「〇〇家」とすることで、喪家(もけ)全体からの返礼であることを示します。近年はこちらも多く使われます。
連名(夫婦や家族全員)で書くことは、香典返しでは避けるのがマナーです。
4. 知っておきたい! 「内熨斗」と「外熨斗」の使い分け
掛け紙のかけ方には、内熨斗(うちのし)と外熨斗(そとのし)の二種類があります。香典返しでは、一般的に内熨斗が選ばれることが多いです。
種類 | かけ方 | 特徴 | 香典返しでの用途 |
内熨斗 | 品物に直接掛け紙をかけてから、包装する。 | 表書きが包装紙で隠れるため、控えめな印象になる。「誰から贈られたか」を配送中に傷つけずに明確にしたい場合に適している。 | 主に配送で送る場合。香典返しで最も一般的な方法。 |
外熨斗 | 品物を包装してから、上から掛け紙をかける。 | 表書きがはっきりと見えるため、贈答の目的を強調できる。手渡しする際に適している。 | 弔問客に手渡しで渡す場合や、即日返しの場合。 |
香典返しは、感謝の気持ちを伝えるものでありながら、弔事であるため、控えめに贈るという意味で内熨斗を選ぶのが一般的で、丁寧なマナーとされています。
5. まとめ:心遣いが伝わる掛け紙選びを
香典返しにおける**「熨斗紙」**のマナーは、一見複雑に見えますが、基本を押さえれば難しいものではありません。
最も大切なのは、「不幸は一度きり」という弔事の基本精神に沿った結び切りの黒白または双銀の水引を選び、宗派や地域に合った表書きを選ぶことです。
特に**「志」は宗派を問わず使える万能な表書きとして活用でき、地域性の高い「満中陰志」**を使い分けることで、より丁寧な印象を与えられます。
このガイドを参考に、心を込めて選んだ品物が、正しいマナーに基づいた掛け紙によって、弔問してくださった方々へ感謝の気持ちとともに届くことを願っています。